「1ヵ月で2キロくらい痩せるためには、どんなダイエットプログラムを実践したらいいんだろう」「具体的な内容を詳しく知りたい」
こんな風にお考えではありませんか?
ダイエットに取り組もうと決意をしても、実際に何をすればいいのかわからないと行動に移すことができません。
そこでこの記事では、ダイエットしたい人におすすめの痩せるプログラムを紹介します。
内容は以下の通りです。
この記事でわかること |
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最初に「プログラムを決める際のポイント」をお伝えした上で、実践内容の例を「運動編」と「食事編」に分けてお伝えします。
さらに、早速本日からでもスタートできるよう具体的な「実践方法」や「よくあるQ&A」も解説していきます。
最後までお読みいただくと、自分にぴったりのダイエットプログラムがどのようなものなのかわかり、迷わず実践できるようになりますよ。
理想の体型を手に入れるため、綺麗に痩せるためのダイエットプログラムについて学んでいきましょう。
1.ダイエットプログラムを決める際のポイント
ダイエットプログラムとは、痩せるための実行計画のことを指します。
ただし、誰にでも同じダイエットプログラムが有効であるということはありません。人によって運動量も消費エネルギーもライフスタイルも異なります。
そのため、自分に合わないプログラムに挑戦してしまうと、うまくダイエットが進まなくなってしまうかもしれません。
そんな事態を避けるためこの章では、ダイエットの実行計画を立てるときに考慮すべき点として以下の内容をお伝えしていきます。
ダイエットプログラムを決める際のポイント |
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自分に合うプログラムを実践できるよう、失敗しないための決め方を知っていきましょう。
1-1.生活に合うものを選ぶ
まず最初に考慮すべきポイントは「生活に合うものを選ぶ」という点です。
ファストフードを避けて自炊をし、毎日1~2時間ほど運動できればある程度痩せられそうだなというのは皆さん想像がつくと思います。
しかし現実的には「残業が多く帰りが21時を超えてしまう」「育児中なので1人で運動をしに出かけることができない」などの理由で、そういった理想的な行動をとるのは難しいという人も多いのではないでしょうか。
そのため、自分の生活スタイルに応じてプログラムの選び方・組み方をアレンジすることが大切です。
運動の場合の選び方の例は以下の通りです。
生活スタイル別 運動プログラムの選び方の例 |
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HIIT(高強度インターバルトレーニング)というのは、4分などの短時間の中で高強度の運動と休憩を繰り返すトレーニング法のことです。
短時間でも効率よく脂肪燃焼を進めることができるので、時間がない人はこんなトレーニングをとり入れるのが良いでしょう。
また運動時間をほとんど確保できないという場合は、まずは日常生活の中で少しでも活動量を上げることから始めていきましょう。座っているよりも立つようにしただけでエネルギー消費量は1.2倍になります[*1]。
そして、食事方法の場合の例は以下の通りです。
生活スタイル別 食事プログラムの選び方の例 |
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生活スタイルによって、実施すべき行動は上記のように異なります。
そのため、自分の生活に合うやり方をとり入れることを意識していきましょう。
1-2.性格に合うものを選ぶ
生活スタイルにいくら合致していたとしても、性格に合っていないプログラムを選んでしまうと効率よく結果を出すのが難しくなります。
「気合と根性で頑張る」というのでは、実践していく中でストレスが溜まり挫折しやすくなってしまいます。
性格によって得意なことと不得意なことが異なりますので、自分の長所を活かせるようなやり方を選ぶことが重要です。
例えば、飽きっぽい性格の人の場合「毎日同じプログラムを続けるのは苦痛」と思うかもしれませんが、逆に「考えるのが面倒だから決められたことをやり続けたい」という人もいます。
性格別のプログラムの選び方の例は下記の通りです。
性格別 ダイエットプログラムの選び方の例 |
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自分の性格がわからない場合は、性格診断などで客観的に評価するのも良いでしょう。
性格診断を活用して自分に合ったダイエットの進め方を知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
→記事のタイトル
1-3.ストレスなく継続できるものを選ぶ
無理のあるプログラムは避け、ストレスなく継続できそうなものを選ぶということも重要です。
健康的に痩せるダイエットで大切になるのは「継続すること」です。
いくら「これをやれば痩せる」といわれても、自分がやりたくないことの場合は実践するのが苦痛で長く続けることはできませんよね。
例えば、元々運動が好きな人であれば、毎日エアロビを30分するというプログラムも楽しくこなせるかもしれません。
しかし運動に対して苦手意識がある人の場合は、そもそもエアロビ自体に抵抗を感じるということもあるでしょう。1~2日間はやる気があるので実施できたとしても3日目からは「もういいや」と止めてしまうかもしれません。
また、おやつが大好きで生きがい!という人が「おやつを完全にやめる」ことを目標にすると、我慢によってストレスが溜まってしまい、途中で暴食してしまう可能性もあります。
こんな風に継続することができないと、それだけで「また失敗した」「自分は何をやってもダメだ」という挫折感が生まれてモチベーションが下がり、ダイエットの障害になってしまいます。
精神面の健康も保ちながらスムーズに痩せるためには、「無理のない計画を継続する」ことが重要です。
自分が「辛い」「すごく我慢している」と感じるようなプログラムではなく、無理なく楽しく継続できそうなものを選びましょう。
2.おすすめのダイエットプログラム【運動編】
ダイエットプログラムを決める際に知っておくべきポイントを解説してきましたので、選び方についてはイメージがついてきたのではないでしょうか。
そこでこの章では早速、ダイエットを効率的に進めることができる1カ月間の運動プログラムを紹介します。
実際には人によっておすすめの方法は異なるのですが、ゼロから自分に合うプログラムを考えるのは難しいと思いますので、以下のようにおおまかなパターンに分けて具体例をお伝えしていきます。
痩せる運動プログラム |
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ご自身に合うプログラムを考える際の参考にしていただければ幸いです。
2-1.有酸素運動で脂肪燃焼プログラム
まずは運動にあまり慣れていない人向けの、有酸素運動で脂肪燃焼を目指すプログラムを紹介します。
このプログラムは以下のような人におすすめです。
「有酸素運動で脂肪燃焼プログラム」をおすすめする人 |
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ここでは負荷の低い運動から始めて運動習慣をつけ、慣れてきたら徐々に強度を増していきます。
「有酸素運動で脂肪燃焼プログラム」の一例 |
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「1週目の内容って簡単すぎない?」と思った人もいるかもしれませんが、運動に慣れていない人が最初から「これから毎日1時間ウォーキングする!」などと意気込んでスタートダッシュするのはおすすめしていません。
なぜかというと、1~2日はモチベーションが高いので実施できたとしても、そのうち「疲れるからやりたくない」「面倒になってきた」と感じ、続かなくなってしまう可能性が高くなるからです。
まずは「これくらいなら余裕!むしろ楽しいかも」と思えるくらいの運動内容にすることで、挫折を防止することができます。
そのようにして運動自体に慣れてくると、たくさん歩いても疲れにくくなったり、ここまで続けたのだからもっと続けたいという気持ちが自然と生まれたりしてきます。
ただし運動に慣れている人の場合は、最初からもう少し強度の高いトレーニングを選んだり、長時間実施したりしても構いません。
「自分にとって楽しくできるレベルの内容から始めることで無理なく習慣化し、徐々に負荷を高めていく」という構成にすることが最も重要です。
2-2.筋トレで代謝アッププログラム
次は筋肉を大きくすることで代謝アップを目指すプログラムです。
このプログラムをおすすめするのは以下のような人です。
「筋トレで代謝アッププログラム」をおすすめする人 |
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加齢や過去の無理なダイエットなどによって筋肉が減ると、代謝が落ちて痩せにくくなってしまいます。そんな人の場合は、筋トレで筋肉を大きくすることで、黙っていても脂肪燃焼を進めてくれるボディを目指していきましょう。
筋トレ初心者向けの具体的なプログラムの例はこちらです。
「筋トレで代謝アッププログラム」の一例 |
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代謝アップを目指す場合、小さい筋肉を鍛えるよりも大きい筋肉を鍛えたほうが効率よく筋肉が大きくなり、基礎代謝を上げることができます。
そのため、初期は大きい筋肉が集まっている下半身のトレーニングであるスクワットから始め、筋トレ自体に慣れてきたら上半身のメニューも入れるようにしていきます。
頻度は、2~3日に1回行うというのが目安です。筋肉を効率よく大きくするためには、筋トレ後に48~72時間ほど回復のための時間をとるのが良いといわれているためです。
筋肉には、一度トレーニングなどによって筋繊維が破壊され、それが回復するときに以前の筋肉よりも大きくなるという特徴があります(超回復)[*2]。
それなのに充分な休息をとらずに毎日トレーニングを続けてしまうと、うまく筋肉が育たなくなってしまいます。
「筋トレによって筋繊維を壊す」→「休息をとって筋繊維を修復する」というサイクルを繰り返すようにしていきましょう。
ただし腹筋の筋肉は回復にかかる時間が短いので、毎日実施しても良いといわれています。慣れてきたら腹筋は毎日行っても良いでしょう。
2-3.スキマ時間で運動量を増やすプログラム
運動プログラムの例の最後は、運動時間をとれない人向けにスキマ時間で運動量を増やすことを目的としたメニューです。
このプログラムをおすすめするのは以下のような人です。
「スキマ時間で運動量を増やすプログラム」をおすすめする人 |
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まとまった運動時間をとることができなくても、日常生活の中でこまめに体を動かすだけでも効果はあります。
そのため、「自分は運動できないからダイエットできないのかな」と諦めず、まずは日々の中で動く量を増やすようにしていきましょう。
具体的なプログラムの例はこちらです。
「スキマ時間で運動量を増やすプログラム」の一例 |
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前半でもお伝えしましたが、座っているよりも立つようにしただけでエネルギー消費量は1.2倍に増えます。
そのため1週目は、座ったり寝転がっている時間を減らし、極力立っている時間をそれまでの1.5倍程度に増やせるようにしましょう。
電車やバスでは立つようにしたり、お風呂で髪の毛を洗うときに立ったまま行ったりするなど、ちょっとした時間の使い方を変えるだけでも効果的です。
2週目は、買い物に行くときや帰宅中に、まっすぐ目的地へ行くのではなく、一度横道に逸れることで自然と歩く量を増やすようにしてみましょう。
3週目は駅や職場、お店、マンションなどではエレベーターやエスカレーターを使用せず、階段を使うことを意識していきます。
そして4週目は、ドライヤーや食器洗いをしているときなど、立ち止まっている時間でかかと上げ(カーフレイズ)のような脚のトレーニングを行います。
少しずつステップアップするプログラムを実施することで、無理なく良い習慣を定着させていきましょう。
3.おすすめのダイエットプログラム【食事編】
痩せるための運動プログラムについては、具体的なイメージがついてきたのではないかと思います。
そこで次は、運動以上にダイエット成否への影響が大きい食事編に移ります。
この章では「食事の準備にどのくらい時間をかけられるか」によって以下の2パターンを具体例として紹介します。
痩せる食事プログラム |
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早速見ていきましょう。
3-1.コンビニ・外食ごはんで痩せるプログラム
まずはコンビニや外食中心の食生活のまま痩せるためのプログラムです。
このプログラムをおすすめするのは以下のような人です。
「コンビニ・外食ごはんで痩せるプログラム」をおすすめする人 |
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最近では生活者の健康志向を受けて、コンビニや外食でもヘルシーなメニューが増えています。そのため、上手に選べばダイエットに良い食べ物を入手することはそんなに難しいことではありません。
具体的な例をご紹介します。
「コンビニ・外食ごはんで痩せるプログラム」の一例 |
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ダイエットに限らず健康に良い食事の基本は、「主食・主菜・副菜」の3つを揃えることになります。主食・主菜・副菜とは以下のようなものです。
主食・主菜・副菜とは |
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コンビニの場合は上記の図の左側のように、単品でこれらの3つを揃えるのがおすすめです。
外食の場合は、ファストフードや洋食店よりも、上記の図の右側のように主食・主菜・副菜の揃った定食メニューがある和食のお店を中心に選ぶと良いでしょう。
1週目は、まずは「毎食野菜とたんぱく質から先に食べる」ことを意識して過ごします。
そうすると、肉だけの丼やハンバーガーのように野菜の少ないメニューや、主食とたんぱく質が分かれていないメニューは選びにくくなるので、自然と主食・主菜・副菜の揃った定食を選ぶことができるようになります。
また、野菜やたんぱく質でお腹を満たしてあげることによって、ご飯などの糖質の多い食品の食べ過ぎを防止することにもつながります。
2週目は、脂肪蓄積が進みやすい時間帯である夜遅い時間に食べ過ぎないよう「夕食が19時以降になりそうなときは16時くらいに分食をとり入れる」ことを心がけていきます。
分食とは、その名の通り「食事を分ける食べ方」のこと。夜遅い時間に夕食を100%食べるのではなく、夕方にそのうちの50%を食べておくことで、夜は50%で済ませるようにする、というイメージです。
分食には主食であるコンビニの玄米おにぎりなどを選び、帰宅後は主菜(たんぱく質)と副菜(野菜類)だけで済ませるようにします。
そして3週目は「20分かけてよく噛んで食べることを意識する」ことを目標にしていきます。
早食いの人ほど太っている傾向があるというデータもあるので、その是正を狙っていきます[*3]。よく噛んで食べると満腹中枢が刺激され、余分なデザートや間食に手が伸びるのも防止できるので、適正な食事量で満足するための習慣を身に着けられるでしょう。
最終週は、より食材について意識するため「脂質の多いメニューを避けた選び方に慣れる」ことに取り組んでいきます。
脂質は人が生きていく上で大切な栄養素ではありますが、現在太ってしまった人の場合はこれまで揚げ物やお菓子などから脂質をとり過ぎていたということが考えられます。
その場合は、脂質の少ないメニューとはどんなものなのかを知り、積極的に選ぶクセをつけることで、栄養バランスを適正な状態にしていくと良いでしょう。
脂質の多いメニューとは、具体的には以下のようなものです。
脂質の多いメニューの例 |
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これらを全く食べてはいけないというわけではありませんが、毎日のようにたくさん食べているとカロリーオーバーを招きやすくなります。
そのため、4週目はこれらをできるだけ選ばないようにするということに取り組みます。
ここでは脂質のとり過ぎが課題である人向けの例を紹介しましたが、栄養バランスの崩れ方は人によって異なります。
脂質よりも砂糖の多いものをとり過ぎていることが原因で太ってしまったというケースもありますし、野菜類の摂取があまりにも少なくて便秘やむくみを引き起こしてしまっているということも考えられます。
そのため実際には、まずは自分の現在の食事の課題を知り、それを解消するためのプログラムをとり入れるようにしてみてください。
自分の食事の課題がわからないという場合は、食事記録ができるスマホアプリで数日間登録して傾向をチェックしてみると良いでしょう。
「あすけん」などのアプリがおすすめです。
食事管理できるアプリについては他にも種類がありますので、より詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
→食事管理ダイエットの記事
3-2.自宅ごはんで痩せるプログラム
次は、自宅ごはんで痩せるプログラムです。
このプログラムは以下のような人におすすめです。
「自宅ごはんで痩せるプログラム」をおすすめする人 |
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コンビニや外食でもヘルシーなメニューが増えているとはいえ、やはり自炊のほうがカロリーコントロールしやすいのは事実です。
そのため、よりダイエット効果を高めていきたい場合は極力自炊できると良いでしょう。
こちらも、現在の食事の課題によって改善ポイントは異なりますが、プログラムの一例として下記をご紹介します。
「自宅ごはんで痩せるプログラム」の一例 |
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先ほどお伝えした通り、基本は主食・主菜・副菜を揃えるようにします。
その中で1週目では、まずは「主食を血糖値を上げにくいものに置き換える」ということに取り組みます。血糖値が急上昇すると脂肪蓄積が進みやすくなるためです。
血糖値の上がりやすさはGI値という指標で比較することができます。これは値が低いほど血糖値を急上昇させにくいというものになり、例えば白米のGI値が80~90程度なのに対して、玄米のGI値は55~65程度であるため、玄米は白米よりも低GIな食品であるということになります[*4]。
具体的な置き換え方は下記の通りです。
主食の置き換え方の例 |
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家族が白米派という場合は、自分の分だけ別で炊いて冷凍しておいたり、こんなレトルトのもち麦ご飯などを利用すると良いでしょう。
主食を置き換える習慣がついたら、次は料理に使う材料や調理法の選び方を改善していきます。
具体的には、「脂質の多い主菜を避ける」ことを意識します。
脂質は1gで9kcalと、糖質やたんぱく質(各1gで4kcal)の2倍以上のエネルギーがあります。そのため、脂質の多いメニューを避けると効率よくカロリーダウンすることができるのです。
脂質の少ない食材には以下のようなものがあります。
脂質の少ない食材の例 |
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特にお肉の脂身には、動脈硬化などのリスクを上げるといわれている飽和脂肪酸が多いため、健康のためにも食べる量は少なめにできると良いでしょう。
そして、脂質の少ない調理法の例は以下の通りです。
脂質の少ない調理法の例 |
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避けたほうが良いのは、「揚げる」と「油たっぷりで炒める、もしくは焼く」という方法です。
炒めたり焼いたりするときは、焦げ付きにくい「フッ素加工」のフライパンを使い、ノンオイルもしくは少量の油で加熱するようにすれば、脂質のとり過ぎを防止することができます。
そして3週目には、「野菜を1食あたり120g揃える」という目標に取り組みます。
野菜には、便秘やむくみの予防に役立つ食物繊維・カリウムなどの栄養が含まれています。さらに、脂肪燃焼や筋肉合成などの代謝をスムーズにしてくれるビタミンやミネラルの供給源としても重要なので、不足しないようにするとダイエットが効率よく進みます。
1日の目標量は350gくらいが目安となりますので、1食あたりその1/3に相当する120gを揃えるようにしましょう。
最後の4週目は、「夕食を18時くらいまでに済ませる」ことに取り組んでいきます。
18時というのはあくまでも目安であり、実際にはそれぞれの生活リズムによって変更して頂いて構いません。
食事の時間が遅くなるほど脂肪蓄積は進みやすくなるので、できる範囲で夕食は早く済ませ、その後は寝るまで食べないようにしていきましょう。
自炊の場合の一例をご紹介しましたが、先ほどもお伝えした通り現状の課題は一人ひとり異なります。
たんぱく質の摂取量が少ない人の場合は「たんぱく質を毎食適量揃えるようにする」、夜の食事量が多い人の場合は「朝と昼にしっかり食べて夜は軽くする習慣をつける」というように、自身の状況に応じて適した目標に取り組んでいきましょう。
4.ダイエットプログラムの実践方法
ダイエットプログラムの例を、運動編・食事編の2つに分けて解説してきましたので、やるべきことや流れのイメージがついてきたのではないでしょうか。
そこで次は、痩せるためのプログラムをどのように始めればいいのか、具体的な実践方法を解説していきます。
4-1.運動と食事のプログラムを1つずつ決める
まずは、先ほどご紹介したようなプログラムを、運動と食事で1つずつ選びます。
例えば、忙しくて運動する時間があまりとれず、食事もコンビニや外食中心になってしまうという場合は、以下のような組み合わせとなります。
これを基本のプログラムとして、以下のように1週間ずつ実施していきます。
また、筋トレなどの運動を行う時間帯は、食事の1~2時間後くらいがおすすめです。食事から摂取した糖が、ちょうどエネルギーとして使われやすくなる時間帯だからです。
ただし「その時間帯は仕事などがあり運動するのは難しい」という場合は、あまり時間帯にはこだわらず都合の良いときに実施できれば問題ありません。
無理なやり方を選び続かなくなってしまうよりは、どのような時間帯であれ継続したほうがメリットが大きいので、自分が続けやすい時間帯に運動のスケジュールを組み入れましょう。
4-2.3つの「痩せる習慣」を組み合わせる
さらに基本のプログラム実践中は、以下の「痩せる習慣」3つを毎日行うのがおすすめです。
①起床後、トイレの後・朝食前のタイミングに体重を測定する
体重を毎日はかると、はからない場合よりも減量がスムーズに進みやすいというデータがありますので、基本的には毎日体重を測定していきましょう。
自分の体重や体脂肪率を毎日数字として確認すると、ダイエットへの意識が高くなるためです。
時間帯としては、日々の推移を確認することが目的ですので、毎日同じ時間に測定するようにしましょう。
おすすめは、食事によって体重が影響を受けにくい「起床後、トイレの後・朝食前」のタイミングです。
体重測定するのにおすすめの時間帯 |
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ただし体脂肪率に関しては、起床直後よりも「食事の後2時間以上経ったタイミング」のほうがより正確な値が出やすいともいわれています[*5]。
しかし「食事の2時間後以降」と「毎日同じ時間帯に測定する」という条件は、外出中で難しかったり日によって忘れてしまったりと、なかなかクリアするのは難しいのではないでしょうか。
そのため同じ時間帯に測定しやすいことから、実際には朝一番の測定が推奨されることが多いです。
いずれにしても家庭用の体組成計は誤差が大きいので、そこまで神経質になる必要はないでしょう。自分の測定しやすい時間を選び、毎日継続していきましょう。
ちなみに体重や体脂肪率は、ダイエットをしている中でずっと右肩下がりで減っていくということはありません。短期的な増減に一喜一憂しないことが非常に重要です。
1週間ごとの平均値を比較するイメージで、スマホアプリなどに測定結果を記録していきましょう。
②水を1.2~1.5リットル程度飲む
ダイエット中は水分不足に気を付けることも重要です。その理由は下記の通りです。
水分不足に気を付けることが重要な理由 |
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量としては、一度に大量に飲んでも余分な水分は尿として排出されるだけなので、コップ1/2~1杯くらいの量を1日6〜8回に分けて、1~2時間おきに少しずつ飲むのがおすすめです。
例えば以下のようなタイミングで飲むと良いでしょう。
1日の中で水分をとるタイミング |
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飲み物の種類としては、甘いものは血糖値を急上昇させやすく、ダイエットにも健康にも良くないので、基本的には避けましょう。
飲み物の種類別の特徴を以下に記載します。
飲み物の種類別の特徴 |
水分補給におすすめ。軟水よりも硬水のほうがカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富。便秘が気になる人は硬水を選ぶと良い。
カフェインには利尿作用があるため、飲み過ぎると脱水を引き起こす可能性がある。1日2~3杯程度を目安にする。
糖分のとり過ぎになるためダイエット中は避ける。
飲んだ以上の水分を尿として出してしまうため脱水を引き起こしやすい。水分補給にはならないと考える。 |
上記のように基本的にはお水で水分を補給し、お茶やコーヒーは2~3杯程度を楽しむという風にすると良いでしょう。
③お風呂では湯船に浸かる
お風呂の際はシャワーだけで済ませるのではなく、湯船に毎日浸かるようにしましょう。
湯船に浸かるメリットは以下の通りです。
湯船に浸かるメリット |
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入浴をすると血行が促進されるため、上記のように様々なメリットを得ることができます。
また、夕食後にリビングにいるとついお菓子を食べてしまうという人なら、さっさと歯磨きをしてゆっくりお風呂に入る習慣をつければ、自分に間食の隙を与えずに済むでしょう。
お湯の温度は熱すぎるとのぼせる恐れもあるので、ややぬるいかなと感じるくらいにしましょう。40℃くらいのお湯に10〜15分浸かると良いといわれています[*6]。
女性の場合は特に体が冷えやすいことに悩んでいる人もいると思います。毎日体を温める習慣をつけることで、代謝の低下を防止していきましょう。
これらを組み合わせて、以下のように自分ならではのプログラムを完成させます。
5.ダイエットプログラム実践にあたってのQ&A
ダイエットプログラムの具体例と実践方法を解説しました。早速スタートしようと思った人が迷わず実行に移せるよう、この章ではよくあるQ&Aを紹介していきます。
5-1.おやつを食べたくなったらどうすればいい?
ダイエット中でもおやつを食べてはいけないということはありません。
おやつを食べたくなったら、こんなものを選ぶと良いでしょう。
ダイエット中におすすめのおやつ |
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逆におすすめしないおやつは以下のようなものです。
ダイエット中におすすめしないおやつ |
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上記のように脂質が多くハイカロリーだったり、砂糖などの血糖値を上げやすい糖質を多く含むものは、食べ過ぎるとダイエットが進みにくくなってしまうためです。
とはいえ、どうしてもこういったものは食べたい!という時もあると思います。そんなときは、1日100kcalまでを食べてもいい目安量とし、それをオーバーして200kcalくらいになってしまったときは翌日のおやつはお休みにするなどして調整できると良いでしょう。
5-2.摂取カロリーはどのくらいに抑えればいい?
性別や年齢、体格、日々の運動量によって異なるため一律の回答をするのは難しいので、一般的な考え方をお伝えします。
例えば「1ヵ月で2キロの脂肪を落としたい」というときには、以下のように脂肪1キロを落とすために削減すべきエネルギー「7,200kcal」の2倍である14,400kcalを1ヵ月で削減する必要があります。
1ヵ月で2キロの脂肪を落とすために削減すべきエネルギー |
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これを1ヵ月の中で1日当たりに換算すると、以下のように480kcalという計算結果となります。
1日に削減すべきエネルギー |
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大人の女性の場合、1日の摂取エネルギーの目安は大体2,000kcalほどなので、食事だけでこの480kcal分をマイナスする場合は、1日の摂取カロリーは「1,520kcal」くらいに抑える必要があるということになります。
1日の摂取エネルギーの目安(女性・18~69歳・活動量「ふつう」の場合) |
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運動量の多い方や筋肉の多い方、体格が平均よりも大きいまたは小さい方の場合はこの限りではありませんが、一つの目安としていただければと思います。
5-3.昔よりも痩せにくくなったのですがどうしたらいい?
年齢を重ねるとどうしても筋肉が減り代謝が落ちてしまうので、多くの方の場合、若い頃のようなペースで減量をするのは難しくなることがほとんどです。
そのため大人のダイエットの場合は、「筋トレで筋肉を増やして代謝を上げていくこと」が重要となります。
まずはこの記事でご紹介した「筋トレで代謝アッププログラム」を実践してみると良いでしょう。
筋肉量や筋力の減少は高齢になってから起きるのではなく、30歳前後から始まっています。ただしきちんと筋肉を鍛えることで、代謝や筋力の低下を食い止めることは可能です[*7]。
そのため、30歳を超えている人は特に、今のうちから筋トレ習慣をつけられると良いですね。
正しく筋トレを行えば、なんと80歳を超えても筋肉を大きく成長させることはできるといわれています。前向きに取り組んでいきましょう。
5-4.有酸素運動と筋トレどちらをすべき?
それぞれにメリットがあるため、可能であれば両方とも取り入れるのがおすすめです。
順番としては、筋トレで成長ホルモンの分泌が進んだ後に有酸素運動をすると、より脂肪が燃焼されやすいといわれています。
どちらか片方から始めたいという場合は、例えば現時点で1日の歩数がそもそも少ない(8,000歩未満)のであれば、まずは有酸素運動で体を動かす習慣をつけていくと良いでしょう。
最低限の歩数はクリアできているという場合は、筋トレで筋肉を増やすと基礎代謝が高くなり、黙っていても脂肪燃焼が進む体を作ることができます。
有酸素運動と筋トレ、それぞれをおすすめする人の特徴は以下の通りです。
有酸素運動と筋トレをおすすめする人それぞれの特徴 |
そもそも1日の運動量が少ない人 脂肪が多い人 早く脂肪燃焼を進めて体重を落としたい人
筋肉が少ない人 有酸素運動をしなくても脂肪を燃やしてくれる体を作りたい人 既に標準体重内の人(体重を減らすというよりも体を引き締める) |
上記を参照し、自分に当てはまるほうを選んでみて下さい。
とはいえ、まずはどのような運動でも良いので「始めてみること」が大切です。
「そもそもかなりの運動不足だけど、有酸素運動には苦手意識がある」ということなら、筋トレからスタートするのも良いことです。
始めてみたら体を動かすのが楽しくなり、ウォーキングも実践する気になってくるかもしれません。自分が無理なく取り組めそうな運動からスタートしてみましょう。
6.自分にぴったりの痩せるプログラムでダイエットを成功させよう
痩せるプログラムについて解説してきました。
うまくいくダイエットのやり方は一人ひとり異なるため、自分にぴったりのプログラムを選ぶことが大切です。
無理なく取り組めて結果が出るダイエットプログラムを実行することで、理想の体を手に入れましょう。
<参考文献>
[*1]厚生労働省:特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-06.pdf
[*2]厚生労働省:e-ヘルスネット「筋力・筋持久力」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html
[*3]厚生労働省:e-ヘルスネット「速食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-10-002.html
[*4]シドニー大学:Glycemic Index Research
https://glycemicindex.com/gi-search/
[*5]タニタ:正しい体組成計の使い方
https://www.tanita.co.jp/health/detail/38
[*6]早坂信哉「最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案」大和書房
[*7]MSDマニュアル:加齢に伴う体の変化